ポルノ断ち 14 日目
ポルノ断ちを開始してから 14 日目に突入した。
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現在は、開始後 13 日と 14 時間が経過している。
そして私は、今日をある程度の緊張感をもって迎えている。
14 日というのは、私の過去において最長のポルノ断ち(当時はオナニー禁止と言っていた)の期間だからだ。
従って、これからは未知の領域を進むことになる。
ポルノ断ちをして 10 日目くらいから、次第に、そして確実に欲情が激しくなっている。
昨日の欲情は今までで最大であった。
ポルノ断ちの直前に見つけたお気に入りの音声作品があるのだが、それをもう一度聴き、自慰をしたいという強烈な衝動に駆られたのである。
その音声作品は、本当に素晴らしいものである。
しかし、だからこそ第一信号系が切り札として叩きつける強力な武器になる。
「とりあえず、あの最高だった音声作品(トリガー)を聴け。話はそれからだ。」
音声作品を聴いてしまったら、おそらく第ニ信号系は見事に陥落するだろう。
なぜなら、その作品は間違いなく音声作品の中でも最高傑作の1つであり、その後の強力な連鎖反射を止めるには膨大なエネルギーが必要だからである。
これだけ強力なトリガーに抗うのはどうしてもできそうにないことを、今までの経験から私は知っている。
ここで私は、それに対する以前出した結論を思い出さなくてはならない。
つまり、「素晴らしい作品」は今後も無限に生まれ続けるのだから、「素晴らしい作品」という理由でポルノ作品を消費することを容認すると、ポルノ断ちは成り立たなくなるという論理である。
あくまで、第二信号系ではポルノ断ちの立場を完全な論理で擁護し、そして条件反射制御法で育ててきた制御刺激をもって、第一信号系を説き伏せる。
わたしにできることは、それだけである。
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第一信号系は、生命維持を司り、第二信号系は理性を司っている。
どちらも人間にとっては必要不可欠の大切な機能である。
第一信号系は、今までは何の不自由もなく射精し放題だったのに、それが突然できなくなるという事態に、懸命に抗い、思考に影響を及ぼす。
それは、ポルノに関しては天然の罠に嵌ってしまっているにしても、その性質を考えると至極真っ当な仕事である。
それでも、第二信号系をもつ我々人類は、それを制御することで自分の人生をよりよい方向に導くことができる。
ポルノ依存症者にとっての「ポルノ断ち」のような第一信号系への反逆は、動物にはできず、人間にしかできないことだ。
私は、それを遂行してポルノ依存から脱却し、世界一のナンパ師になる。
そのための「ポルノ断ち」だ。